派遣労務管理の構図

■派遣労務管理は難しい!?

派遣スタッフの労務管理は、通常の会社の労務管理と比べても難しいといえます。

その理由は…

通常の労務管理であれば、下図のように「会社」と「労働者」の二者間の関係に限られ、実際の就業場所も同一です。

通常の労務管理の構図

これが派遣では、下図のように「派遣先」が加わり三者間の関係となり就業場所も異なります。つまり、多面的な関係の中で、実際に働いている姿を見ることなく労務管理を行わなければなりません。

派遣の労務管理の構図

就業規則等、スタッフに適用されるルールは、スタッフと雇用関係にある人材派遣会社が定めなければなりません。しかし実際の就業場所は派遣先内のため、派遣先にも労働時間管理などについて応分の責任を派遣法では定めています。(法44条~47条の2、令5条~8条、則39条~46条)

■派遣労務管理は「派遣先」労務管理

「派遣先=お客様」という関係性がもたらす派遣労務管理の難しさ

一般に労働法の世界では、「労使対等の原則」に反して会社側が労働者より優位な立場にあることが問題とされていますが、これが派遣では、人材派遣会社よりも優位な立場に「派遣先」が位置しています。

例えば、派遣労務問題として下図A、Bのようなケースが考えられます。

A.労務問題発生の構図 B.労務問題発生の構図

Aのケースでは、人材派遣会社は就業規則に基づきスタッフを指導し、場合によっては懲戒処分を行うこともあるでしょう。ここでは、派遣先の要望に応えるということが労務管理の主目的になります。そのためスタッフに対しては厳しい対応が求めらがちです。ここで派遣先の要望に応えられないときは、中途解除・雇止めの問題へと発展してしまいます。

Bのケースは問題解決が更に難しいといえます。問題の根本原因が派遣先にあり、その解決には派遣先内部の労務管理に立ち入らなければなりません。人材派遣会社の立場からは「お客様」に意見するのは難しいでしょう。しかし問題を放置してしまっては大きな労働争議に発展する危険性があります。そうなると派遣先にも直接的に影響をおよぼすため、問題を共通認識し双方が早期に対応することが肝心です。

■派遣労務管理のポイント

1、問題発生を未然に防ぐ体制
労務問題は発生させないことが一番大切です。日頃のスタッフ教育、気になるスタッフへのフォロー等、問題を未然に防ぐ管理システムが大事です。
2、早期対応
いざ労務問題が発生してしまった場合には迅速な対応が求められます。また、早期対応するためには就業規則等の規程類の整備も欠かせません。
3、派遣先との協力関係
派遣先との信頼関係を築くためには、労務問題を共有し協力して解決に取り組む体制が必要です。

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