派遣契約と雇用契約のねじれ

【ご注意ください】本サイトの情報は、改正派遣法(平成27年9月30日施行)に対応していない項目を含んでおります。 最新の情報は、厚生労働省のHPで確認されるか、管轄の労働局需給調整事業課までお問合せください。

■派遣元に重い責任

派遣契約と雇用契約の構図

派遣契約と雇用契約

派遣スタッフの雇用に関する責任は、雇用主である派遣会社が担わなければなりません。

派遣先企業が決定権を持つ派遣契約の終了

派遣スタッフが自ら終了を望むケースを除けば、派遣契約の終了には、派遣契約が更新されずに終了するケースと、派遣契約期間途中で契約解除になるケースがあります。いずれのケースでも主導権は派遣先企業にあります。

「派遣契約=雇用契約」ではないため、「派遣終了=雇用終了」は原則として成り立たないと考えなければいけません。しかし実際には、派遣契約が終了してしまえば雇用を維持することは難しく、「派遣終了→雇用終了」をならざるを得ないケースが数多く発生します。この場合、終了の理由やそれまでの契約の内容によっては、たとえ期間満了による雇止めであっても派遣元と派遣スタッフの雇用関係は継続しているされ、賃金の支払い義務が発生することもあり得ます。

これに対して派遣先企業は、派遣契約終了に至る手続きさえ適正であれば、原則として責任を負うことはありません。

■雇用の安定へ向けての課題

指針による損害賠償規定の実効性

いわゆるリーマンショック後に社会問題となった派遣切り問題を受けて、平成21年3月31日付で派遣先指針及び派遣元指針が改正されました。その主な内容は次の通りです。

  1. 派遣契約の中途解除に当たって、派遣元はまず休業等により雇用を維持するとともに休業手当の支払い等の責任を果たすこと
  2. 派遣先は、休業等により生じた派遣元事業主の損害を賠償しなければならないこと
  3. 派遣契約の締結時に、派遣契約に2の事項を定めること

この損害賠償規定により派遣先の責任は重くなりますので、派遣契約の中途解除に一定の抑止力が働くことが期待されています。しかし、派遣元がお客様である派遣先企業に損害賠償を請求することは現実的には難しく、その効果については疑問符がつくところです。

新たな就業機会の確保という難題

派遣契約の終了にあたって、派遣先・派遣元双方に新たな就業機会の確保努力が課せられていますが、派遣先企業が新たに他部署でのポストを確保することは容易ではなく、派遣元にとってもそれは同様です。と言うのは、派遣スタッフには給与・業務内容・勤務地・就業時間・休日等の希望条件があるため、派遣元がただ単に他のお仕事を紹介すればいいというわけではないからです。マッチングに難があるお仕事を紹介することは、結局は派遣スタッフの雇用の安定につながりません。

■人材派遣会社の調整力

円満な終了は日々の積み重ねから

派遣契約終了に伴う雇用契約の円満な終了は究極の労務管理です。

臨時的・一時的就労が前提である派遣にとって終了の問題は必ず発生します。ここで派遣先企業及び派遣スタッフとトラブルを起こさないためには、やはり常日頃からコンプライアンスを前提に「調整力」を発揮しておくことが大切です。

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