政令業務と自由化業務

【ご注意ください】本サイトの情報は、改正派遣法(平成27年9月30日施行)に対応していない項目を含んでおります。 最新の情報は、厚生労働省のHPで確認されるか、管轄の労働局需給調整事業課までお問合せください。

■政令業務と自由化業務の定義

政令業務と自由化業務の最大の違いは、派遣受入期間の制限の有無になります。

政令業務の種類

令4条業務・令5条業務 専門的な知識、技術若しくは経験を必要とする業務、または特別の雇用管理を行う必要があると認められる業務。具体的には、令4条で定める業務。 法40条の2第1項1号令4条令5条
有期プロジェクト業務 事業の開始、転換、拡大、縮小または廃止のための業務であって、一定の期間内(=3年以内)に完了することが予定される業務。 法40条の2第1項2号
日数限定業務 1か月間に行われるその業務の日数が、その派遣就業に係る派遣先に雇用される通常の労働者の1か月間の所定労働日数の半分以下であり、かつ、月10日以下である業務。 法40条の2第1項2号
産休・育休代替業務 派遣先の労働者が、産前産後休業、育児休業、産前休業に先行し、または産後休業若しくは育児休業に後続する休業であって、母性保護または子の養育をするための休業をする場合の当該労働者の業務。 法40条の2第1項3号則33条
介護休業代替業務 派遣先の労働者が、介護休業、及び介護休業に後続する休業であって対象家族を介護するための休業をする場合の当該労働者の業務。 法40条の2第1項4号則33条の2
自由化業務 政令業務に該当しない業務

「付随業務」と「付随的な業務」、そして「その他の業務」とは?

上表の政令業務の中でも特に令4条業務・令5条業務に関する取扱いが重要ですが、これにはいわゆる「複合業務」の取扱いの問題もあって判断・線引きが難しいところです。この「複合業務」の判断にあたっては、次の「付随業務」「付随的な業務」「その他の業務」の考え方を理解していなければなりません。

付随業務
令4条業務・令5条業務と密接不可分な行為、または、一体的に行われる行為。(令4条業務・令5条業務の一部に含まれるため派遣受入期間の制限を受けません)
付随的な業務
令4条業務・令5条に伴って付随的に行う令4条業務・令5条以外の業務。(その割合が10%以下であれば、全体として派遣受入期間の制限を受けません)
その他の業務
令4条業務・令5条業務にも、付随業務にも、付随的な業務にもあたらない業務全て。(その割合に関わらず、全体として派遣受入期間の制限を受けます)

「付随業務」「付随的な業務」「その他の業務」については、そもそも法令による定めが無く、労働行政の運用によっていくらでも解釈が変転するため、常に注意が必要です。

■令4条業務・令5条業務が含む問題

令4条業務・令5条業務は政令により定められる業務

派遣受入期間に制限を受けない業務については、法40条の2第1項1号により「政令で定める業務」とされており、それを受けて政令で令4条18業務・令5条10業務の業務が定められています(令4条令5条)。このように、令4条業務・令5条業務の定義についてはあくまで政令によって定めなければ法的根拠を持ち得ません。

「業務取扱要領」「疑義応答集」とは何なのか?

厚生労働省は「労働者派遣事業関係業務取扱要領」を定め、その中で令4条業務・令5条業務の運用解釈を行っています。「付随的な業務」に関してもこの業務取扱要領が取扱いを定めています。ちなみに業務取扱要領は法律でも政令でもありません。

最近では、2010年2月8日に「期間制限を免れるために専門26業務と称した違法派遣への厳正な対応(=26業務適正化プラン)」が発表され、そして2010年5月26日には「専門26業務に関する疑義応答集」が発表されることにより、法律及び政令が改正されないまま運用解釈が変更されています。

つまり、現在の人材派遣事業は、法改正を行わずとも労働行政の運用により取扱いが変更されうるということです。この問題の是非についてはともかく、今までOKだった取扱いがいつNGになるか分からないというリスクが存在するということを、事業として人材派遣に携わる側は認識しておく必要があります。

■実務上求められる対応(コンプライアンス)

結局のところ、正解が分からない!?

令4条業務・令5条業務の運用解釈は、労働局の担当官によっても差異が生じています。このような事態が生じる背景には、令4条業務・令5条業務についての政令の定めがあいまいで、かつ、時代に則さなくなっているという点も考えられます。

いずれにしても、基準が不明確でしかも解釈が恣意的に変化するのであれば、コンプライアンスがいくら大切といっても何が正しいのか分からない状態です!?

人材派遣事業の目的に基づく対応を

令4条業務・令5条業務を巡る問題については、次の、派遣法の立法目的をふまえた対応を取ることが、最も適正であるといえます。

法1条

この法律は、職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)と相まって労働力の需給の適正な調整を図るため労働者派遣事業の適正な運営の確保に関する措置を講ずるとともに、派遣労働者の就業に関する条件の整備等を図り、もって派遣労働者の雇用の安定その他福祉の増進に資することを目的とする。

期間制限を免れるために、業務内容を偽って契約書を作成したり、通常考えられる範囲を超えて令4条業務・令5条業務を拡大解釈したりすることは、人材派遣事業の目的に反するものであり、労働行政の運用の問題によるまでも無く不適正な派遣です。「労働力の需給の適正な調整」のために派遣先の要望に応え、派遣スタッフに対しては「福祉の増進」を図ることが、人材派遣会社に求められる役割です。この役割に従っていれば、令4条業務・令5条業務についても派遣先・派遣スタッフ双方の調整で大きな誤りを犯すことは無いはずです。

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